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「軽貨物車両の自由化」の内容とその背景とは?

こんにちは!千葉・東京で軽貨物ドライバーを募集しているエアフォルクグループのホームページにお越し頂き、誠にありがとうございます!
 
 
 
2022年6月に行われた規制改革実施計画において『貨物軽自動車運送事業における軽自動車の使用について検討がされ、同年8月にパブリックコメントを実施した上で【軽貨物車両の自由化】が発表されました。
パブリックコメントとは規制の設定または改廃等にあたって政省令等の案を公表し、この案に対して国民から集めた意見・情報を考慮して意思決定を行う手続きです。そこでは法令の周知・監査・指導の徹底、過積載の取締り強化、損害賠償の支払い能力の義務化、無認可での軽貨物運送防止などを求める声があがりましたが、対応が可能だとして10月24日軽貨物車両の自由化に踏み切りました。
軽貨物車両の自由化とはつまり、これまで商業軽自動車に限られていた配送業務が一般軽乗用車でも配送が可能になったという制限の解除を意味します。
 
 
一般軽乗用車でも配送が可能になりましたが、配送業務を行う為には軽貨物運送事業者の届出と車両の事業用登録(黄ナンバーから黒ナンバーへの変更)をする必要があります。じつはこれまでも軽乗用車で配送業務を行うことはできましたが、荷室のサイズを規定の物品積載設備の床面積が0.6㎡以上になるようになどの車の構造変更とその審査を経て用途を乗用から貨物へ変更する必要がありました。しかし軽貨物車両の自由化によってそのような構造変更も必要なくなりました。
ただし一つ注意しなくてはいけないのが、一般的な軽貨物の最大積載量が350㎏なのに対して軽乗用車は最大積載量を乗車定員人数一人分を55㎏と換算して算出する点です。例えば乗車定員4人の場合はドライバー1人分を除いて55㎏×3人分の165㎏が最大積載量となります。請け負える荷物の量が軽貨物に比べてずっと少ないという所には気をつけなければなりません。
 
他にも軽貨物運送事業者として安全な運行を行うために遵守すべき規定があり、軽乗用車で配送業務を行う場合も例外なく守り安全運行に努めなければなりません。主に次のようなものがあります。
 
・休憩や休息が十分とれるように勤務時間及び乗務時間を定め遵守しましょう。
・乗務前にアルコールチェッカーによる酒気帯びの有無や疾病、疲労等の有無、車両の点検などを確認し、記録する必要があります。
・貨物の運送に関する損害賠償に対応できる任意保険等に加入しましょう。
・車両に名称、氏名若しくは記号を見やすいように表示しましょう。
・貨物自動車運送の届出であり旅客の運送はできません!
・過積載運行はやめましょう。
・視野もしくはハンドルその他の装置の操作を妨げることとなるような積載はやめましょう。(道交法)
 
 
 
「軽貨物車両の自由化」をなぜ国土交通省は推し進めたのでしょうか?
そこにはまず次のような背景があります。
 
〇宅配便の取扱い個数はいまだ増加傾向にあり、2021年度は49億5323万個(前年度比2.4%増)で過去最高値を記録しました。また通販最大手のAmazonは配送拠点をさらに増やしています。
〇政府の副業解禁の流れも影響して、フードデリバリーサービスのさらなる普及が見込まれています。またフードデリバリー業界の方からも特に自転車や原付での配達の多い調理済み料理の配送サービスにおいて雨や雪などの天候で配達員不足が発生するため、軽自動車での配達の規制緩和の要望がでていました。
〇将来配送を担うものとして自動運転技術が注目されていますが、完全自動化とその環境整備にはまだかなりの時間が必要ですし、自動運転が稼働できるようになってもどうしても人の手で配送しなければいけない部分は残り、並用する形になると考えられています。
 
これらの背景からドライバーはもちろん配送業界の車両不足が懸念されることとなったためで、高まる需要に対してコロナの影響による世界的半導体不足や海上輸送の停滞で軽貨物車両の不足がすでに発生しているという実情もあり、つまりこの軽貨物車両の自由化は車両不足解消に向けた政府の施策であるということです。
 
 
 
ではここで軽貨物車両の自由化によるメリットとデメリットを見てみましょう。
 
 
《メリット》
➀わざわざ軽貨物車両を購入したり借りたりする必要がなくなり、軽貨物車両が調達できないことによる事業開始の遅れが解消される。
➁参入障壁がさらに下がり、ドライバー不足解消につながる。また副業として手を出しやすくなる。
➂副業として始めた人の中から専業や運送会社の経営者となる人がでてくる期待もでき、運送業界全体の発展に繋がる可能性がある。
 
 
《デメリット》
➀配送ドライバーの質の低下
参入しやすくなったということは、研修を経ずに現場にでる人や運転技術の未熟な人・荷物を乱雑に扱ったりマナーの悪い人などプロ意識やスキルの低いドライバーが増える可能性もあり、そういった人たちによる配送ドライバーの交通事故の増加やクレームの増加などで業界全体の品質が下がることが懸念されています。
➁配送単価が低くなる可能性
副業ドライバーが多く参入することが見込まれるため、配送単価が下げられるのではとの話があります。しかし、宅配大手では2017年から段階的値上げをしていますし、ドライバーの残業規制猶予が解除される2024年問題もあることから簡単には値崩れを起こさないとも考えられています。
➂最大積載量が一つでなくなったことによる問題
軽貨物車両の自由化によって軽貨物運送業では最大積載量の違ういくつかの車両が混在することになり、700㎏の荷物を運びたい荷主はこれまでなら2台ですんだところ場合によっては3~4台頼まないと運びきれないといった事態が起こりえることになります。そういったトラブルの頻発が懸念されており、緊急便などでトラブルがあった場合は思いのほか大きな損害になってしまうことも考えられるので、荷主は依頼時に運ぶ総重量を伝えたり、車両を指定することが必要になってしまったと言えます。
 
 
 
デメリットに挙げた「最大積載量」の問題は意外と大きく、荷主から仕事を受けた時点では軽乗用車でも運べる重量であるかわからないため仕事が回せないなどの理由もあって、軽乗用車では登録させてもらえなかったり、350㎏まで積める軽貨物が優先され仕事をもらえないといったようなことが起きていて、軽乗用車の主な仕事は重量制限を気にしなくてもよいフードデリバリーが中心になりそうだと今は言われています。
まだ始まったばかりということもあり、現場のとまどいも多いようです。今後現在でている問題の調整や対応策が考えられて、軽乗用車もしっかりと活躍できる場が構築され、確かに軽貨物業界の問題解消の一手となるよう期待して行きたいですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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