いつもありがとう!と言われるプロの技!軽貨物ドライバーの神対応術
「荷物を運ぶだけなら誰でもできる」
 そう思われがちですが、実際にお客様から「いつもありがとう!」と言われるドライバーは、ごく一部です。
 彼らに共通しているのは“速さ”だけで勝負していないこと。
 「またこの人に届けてほしい」と思わせる対応力・気づき・ちょっとしたひと言を持っています。
このコラムでは、軽貨物ドライバーとしてすぐに使える“神対応”のコツを、少しマニアックめにご紹介します。新人さんはもちろん、ベテランの方の教育用にも使えます。
1. 第一印象は「3秒」で決まる
- 車を停める位置で印象は変わる
 玄関まわりをふさがない、近隣の車の出入りを邪魔しない、アイドリングを長くしない。これだけで「感じのいい人だな」がスタート位置になります。
- 降りるときに荷物を“見せて”おく
 片手に伝票・片手に荷物でモタつくよりも、玄関が開いた瞬間に「◯◯様にお届けでーす」と荷物が見えていた方が安心感が高いです。
- 開口一番は“名前+感謝”で
 「○○です。いつもありがとうございます」
 この“いつもありがとうございます”を最初に言えるドライバーは、常連先での信頼がたまっていきます。
2. 荷物を“どう渡すか”でプロ度が出る
- 向きにこだわる
 ラベルが相手側に向いていると、受け取る人はすぐ内容を確認できます。ほんの1秒の話ですが、これを毎回できる人はほぼいません。
- 重さを先に伝える
 「ちょっと重めです」「冷蔵なので横にしないでくださいね」など、一言添えるだけで“気づける人”になります。
- 置き配でもメッセージ性をつける
 写真を撮るだけでなく、メモ欄に「雨が当たらない位置に置きました」「段差に引っかからないよう向きを変えました」と書けると、次回の評価が変わります。
3. クレームになりやすい“3大パターン”の神対応
①「今いないんですけど!」と言われたとき
- NG: 「じゃあ不在票入れておきます」
- 神対応:
 「ご不在でしたら、このあと〇時〜〇時頃に再配できますが、ご在宅ありますか?」
 → “こちらからもう1回行く姿勢”を先に出すと、相手のトーンが落ち着きます。
②「それ、さっきも届いたよ?」と言われたとき
- 一度“お困りごと”として受ける
 「そうでしたか、二重になってご不便おかけしました。こちらで受け取りの状況を共有しておきますね」
 配送側の責任でなくても、まずは受ける。ここを崩さないドライバーは強いです。
③「ここじゃなくて裏に回して!」と言われたとき
- “次回以降の約束”を言う
 「かしこまりました。次回から“裏口にお届け”で覚えておきます」
 +できれば伝票の備考か自分のメモに残す
 → リピート先で“覚えてくれている人”になると、一気にファン化します。
4. リピーター先で“名前を呼ばれる”ようにするコツ
- 3回目で名前を名乗り直す
 「何度も失礼します、○○です」
 → 先に覚えようとする人は、相手も覚えてくれます。
- 固定先なら雑談ワードを1つだけ持つ
 「今日はお天気いいですね」よりも
 「この前の段ボール、まとめていただいて助かりました!」の方が距離が縮まります。
- お年寄りの場合は“ゆっくり+大きめの声”を徹底
 対応スピードより“聞き取りやすさ”が優先です。「助かるわ〜」が取れると、その家全体の評価が上がります。
5. 会社や荷主に“見えない努力”を伝える方法
現場で神対応しても、会社や荷主に伝わらないと評価になりません。なので「対応ログを残す癖」をつけます。
- 時間指定を変えたら → 「14時→16時に変更、本人了承済み」
- 置き配の場所を変えたら → 「玄関前が濡れていたため、軒下に移動」
- クレーム予備軍がいたら → 「受取人不満あり、次回は玄関右側へ」
これを社内の指定ツール・チャット・専用フォームに毎日1分で書く。
 “対応を言語化できるドライバー”は単価を上げやすいです。
6. プロほど“自分を減らす”
神対応というと「すごくフレンドリーな人」を想像しがちですが、実は逆で、相手の負担を減らす人がプロです。
- インターホンは2回以内
- 長居しない(特に在宅ワーク宅)
- 子ども・ペットには手を出さない(声かけだけ)
- 写真撮影は素早く・無言で
- ドアや門を勝手に開けすぎない
「この人、余計なことしないから助かる」が積み重なると、自然と「いつもありがとう!」になります。
7. 明日からできる“神対応チェックリスト”
- 停車位置は邪魔になっていないか
- 玄関が開いた瞬間に名前を名乗れたか
- 荷物の向きは相手に向けたか
- 重さ・注意点をひと言添えたか
- 置き配の場合、理由を一文残したか
- 相手から要望があったら「次回からそうします」と言ったか
- 今日の“いい対応”を社内に1つ共有したか
この7つを毎日やれば、数週間でお客様の反応が変わってきます。
まとめ
「運んで終わり」のドライバーと、「ありがとうと言われる」ドライバーの差は、作業力よりコミュニケーション設計にあります。
 しかも、どれも“今からできること”ばかりです。
エアフォルクでは、こうした現場ですぐに使えるドライバー向けノウハウを、これからもコラムで発信していきます。
 「こういう場面の対応も知りたい」「新人教育用にまとめてほしい」などのリクエストがあれば、ぜひお知らせください。
 
                       
                       
                       
                      