マンションの宅配事情の経緯と新システムへの取り組み
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配送に関わる諸々の問題の中で特に対策が模索されているのが「再配達をいかになくすか」というものです。
国土交通省の調査によると2021年4月時点で宅配の再配達発生率は11.2%で、10人の配達人がいれば1人は一日中再配達に奔走している計算になります。
いまだ再配達が多いとされる要因の一つと言われるのが、マンションのオートロックです。オートロック付きマンションはお客様不在の場合、配送ドライバーはマンションに立ち入ることができないため、ご希望の場所への置き配もすることができません。
再配達を減らす工夫がマンションに拡がり始めたのは20年程前です。分譲マンションのエントランスに宅配ボックスを設置するようになりました。宅配の増える時代にピッタリだと喜ばれた設備でしたが、あまりに配送の荷物が増え、そのボックスがすべて使用中というケースが増加し、宅配業者のロッカーの取り合いまで生じるようになってしまいました。
その事情をふまえ2018年ごろから全戸宅配ボックス付きマンションが登場しました。すべての住戸の玄関前に宅配ボックスがあってマイ宅配ボックスとして利用できるというものです。これが実現した理由は二つあります。一つは2017年11月に国土交通省によって「宅配ボックス設置部分の容積率不算入」が決められたことで、全戸に宅配ボックスをつけても住戸面積が削られることがなくなったこと、つまり全戸宅配ボックス設置のハードルが下がったことがあげられます。もう一つはオートロック機能の進化です。最新のオートロックには外出中でも住人のスマホに連絡が入るものがあり、通話できるだけでなくスマホ操作でエントランスのオートロックを解除することもできるようになりました。又近年、各マンションではモニターカメラを複数台設置していて、入館者の映像を記録保管することで防犯性を向上させました。マンションのセキュリティシステムの進化も全戸宅配ボックス設置実現に一役買ったと言えるでしょう。
最新の全戸宅配ボックス付きマンションには「宅配用」と「置き配用」の2種類のボックスを設置するところも出てきています。使い分けるという考えに基づいた新しいスタイルです。
オートロック付きマンションへの対策を企業側も考え実践しています。
急速に増え続けている通販の需要に対し、物流におけるSDGsな取り組みを推奨し、「再配達を少なくすることがドライバーコストやCO₂削減になる」と訴え続けている通販サイト大手のAmazonは、コロナ禍による2020年3月の置き配の解禁に加え、2021年2月には新たなサービス『Amazon Key for Business』を誕生させています。
Amazon Key for Businessとは集合住宅(マンション)の自動ロックの共同玄関にあるインターホンシステムにAmazon Key for Businessの専用特殊機器を予め物件のオーナー又は管理会社の許可を得て設置することでAmazonが委託した配送ドライバーが自動解除によって入館可能となる仕組みで、お客様は買い物後にくる発送通知メールに「発送業者:Amazon」と表示のある場合に利用が可能です。オートロック付きの共同玄関であればどんな設備でも導入は可能としていて、当初は大東建託パートナーズと綜合警備保障会社(ALSOK)などと協力して5県200棟のマンションに導入しました。
この新システムは好評で、2021年11月の時点でApaman Property株式会社や東急不動産ホールディングスグループなどの管理物件にもサービスを拡大しており、10都道府県(北海道・千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・福岡県)800棟以上に及びます。
[実際の使い方]
Amazon委託の配送ドライバーは専用特殊機器の設置を導入したマンションの共同玄関インターホンシステムでスマホのドライバー専用アプリを操作することによってオートロックを解除することができます。ただし、原則マンションに入館許可されるのは1注文につき1回限りです。配送ドライバーが置き配による配送完了をドライバー専用端末にて入力するとオートロック解除の期限が切れ、同じマンションに入ることはたとえ同日であっても別の置き配の荷物が発生しない限りできなくなります。
Amazonはこれ以外にも『過去の注文データを分析し、在宅可能性の高い曜日・時間帯を自動予測し商品を届ける新たな配送方法』を2021年1月よりすでに開始しており、日本の不動産の特徴からも全てを置き配にすることはできないため、再配達依頼の多い利用者を先行検証対象として、過去の配達履歴からそのお客様の生活パターンを予測、受取確率の高い曜日・時間帯を推定し、配達日時を設定しています。
アメリカのAmazonではもっと進んだサービスを行っていて、ドライバーに危険運転を注意する車内AIの導入やドローンによる配達、ニューヨークマンハッタン内であれば注文後1時間以内に自転車の配達員が配送するサービスなど、考えうるすべての物流最適化を実施しています。世界のその点で先進国といえる国からみれば日本の物流業界は大幅に出遅れていると言えるでしょう。
日本の物流環境を変えようとしているAmazonの動きは、他の企業や配送会社が追いかけるように解禁した置き配の例を見てもわかるとおり、コロナ禍によるこれまでになかった様々な変化も後押ししてその影響はとても大きいものがあり、これからもECサイトや物流会社の追随が予想されます。
例えばヤマト運輸では複数社のオートロックキーを同時管理できるプラットホームを開発、「EAZY」という荷物お届け直前まで変更可能な受け取り方法選択型のサービスの中で、配送情報を連動することでオートロック解錠が可能という機能を追加し、対応マンションを拡大しています。
数年前までは宅配ボックスの有無を物件探しの条件にすることなどあまりありませんでしたが、今は求める人が多くいます。
宅配ボックスとともに上記のような共同玄関自動ロック解除システムの導入の有無も選定の条件とするのが当たり前な時代もすぐそこまできているのかもしれません。
このシステムが私たちのような軽貨物運送業に与える影響は他の運送業よりも大きいものがあります。なぜなら置き配を依頼される荷物は軽貨物で運ぶのが最適とされるサイズですし、宅配のほとんどを請け負っているのが軽貨物運送業だからです。すでにこのシステムを日々利用しているドライバーさんもいらっしゃることでしょう。
配送ドライバー側からしてもとても便利でありがたいシステムですが、端末操作を伴うものですから一層端末の扱い方や入力忘れのないようにしなければなりませんし、置き配が可能になった場合でも各マンションのルールにのっとった置き配になっているかも改めて確認し注意しなければいけませんね。
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